多久市中心市街地活性化の取り組み

中心市街地とは、人口が集中し、商業、行政機能が充実した地域の中心となる地区のことで、近年地方都市においては、少子高齢化の時代背景のなか、さまざまな社会情勢の変化により中心市街地の衰退が深刻化しており、都市としての活力が減退しつつあります。
多久駅周辺地区については、唐津線の開通後石炭の積み出し拠点として発展し、まちの中心部として商業地を形成してきました。しかし炭鉱閉山とともに、人口減少と郊外への大型店の出店などによりかつての中心部の活気は失われてきました。
本市の活力を取り戻すには、賑わいの中心となる核が必要であり、かつて商業地を形成した多久駅周辺地区を中心市街地として位置づけ、活性化に向けて取り組みを進めています。

 

多久市中心市街地の範囲

平成11年に策定した多久市中心市街地活性化基本計画の中で、「JR多久駅」を中心として、フードウェイや京町商店街などを含む約37ヘクタールを中心市街地として設定しています。

 

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 ▲中心市街地の区域

まちづくりへの取り組みの経過

多久市中心市街地活性化の取り組みは、多久駅周辺土地区画整理事業にあわせて、地元を中心にまちづくりに取り組んできました。平成11年3月に中心市街地活性化基本計画を策定し、その後商工会を中心に中心市街地におけるまちづくりを運営・管理する組織設立に向けた検討や市民参加によるワークショップを繰り返し開催し、景観形成・交流型複合施設(公共公益施設)の整備内容などについても話し合いを行ってきました。
しかしながら、基本計画策定から年月が経過したことから、中心市街地の活性化のあり方について再度見直すため、平成20年度に経済産業省の支援のもと、まちづくりの専門家の目から見た調査分析事業を、地元の住民参加のもとに行いました。
地域の活性化の主体は地域の住民が担うものであり、地域の人々が主導するまちづくりの仕組みを如何につくるかについて話し合いを進め、多久市の現状を見極め、身の丈にあった活性化と、時間経過を考えた戦略、地域資源や強みを活かし、実効性のある推進体制を構築することが課題であると確認しました。
平成21年度は、商工会を中心にまちづくりを検討する「まちづくり協議会」を立ち上げ、さらに市内の女性や地元の若者も加わり「街なかに何が求められているか」を中心に、10年後のまちをイメージしながらまちづくりの方針について検討をはじめました。

10年後を見据えたまちづくり

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賑わうメインストリートの再生、街なか回遊導線の整備

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「10年をかけてこのまちを、住みやすく賑わいのあるまちに作り変える」を事業の目的として、まちに必要な機能を持った施設、そこを運営する組織の立ち上げ、まちづくりを情報発信していく仕組みづくりについて話し合いを進めてきました。それに伴いコミュニティの核になる施設とするためにそれまで「公共公益施設」といってきた施設を「中核施設」という呼び方に改め、ここに人々が集い、賑わう市民のための居場所を創出し、地区の住民や商業者、市民団体の参加を促しつつ、新たなまちづくりの体制を確立し、民間活力を生かした管理運営を目指すこととなりました。
平成22年度には、さらに地元高校の生徒や子育て世代の女性、さらにシニア世代の方にも加わっていただき、それぞれの世代の居場所について意見交換を行い、施設の機能、事業手法、運営体制について検討を行ってきました。
平成23年度に入り、まちづくり組織の体制の検討、中核施設の構成・運営の検討、街並み形成・賑わい形成など、より具体的な検討を行ってきました。さらに公募型によるプロポーザルを実施し設計業者を選定し、これまで話し合ってきた中核施設の内容を、基本構想・基本設計として取りまとめてきました。

多久市まちづくり協議会

多久市まちづくり協議会は、平成21年7月に多久市商工会を中心に、中心市街地活性化に必要な事項を協議し、中心市街地の活性化の総合的かつ一体的な推進に寄与することを目的に設置されました。 

活性化に向けた主な事業

多久駅周辺土地区画整理事業

多久駅周辺地区土地区画整理事業の概要

事業期間平成6~26年度
面積:17.7ヘクタール
総事業費約101億円
公共施設整備費 約15億円(約15%)
移転補償費 約69億円(約68%)
その他 約17億円(約17%)

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山犬原川親水護岸整備事業

中心市街地の魅力の向上、快適な空間創出、居場所づくりのための取り組みとして、中心市街地を流れる山犬原川沿いに親水空間をつくり、そこに市民が訪れる憩いの場を創出する。また多久駅の南北を結ぶ導線により、多久駅北側に建設予定の交流施設と駅南側の公園の回遊性を作り出します。

まちなか再生プロデュース事業

具体的、実践的ノウハウを有したまちづくりの専門家が、多久市が直面しているまちなかの活性化の問題に対して、総合的な側面から調査分析を行い、その解決策についてアドバイスを行い、活力と魅力あるまちづくりを行う。
多久市については、平成21年度からこの事業に取り組み、専門家のアドバイスのもと、地域・関係者と一体となって協働のまちづくりを進めてきています。

タウンマネージメント推進事業

タウンマネージャーとその補佐を行うサブマネージャーの2人を多久市商工会が市の委託を受けて設置。多久市の中心市街地であるJR多久駅周辺の街づくりや商業の活性化を行い、同地域のにぎわいと魅力づくりのための企画や情報発信など、地域に密着した事業を推進します。

協働によるまちづくりの推進

多久市が進めている中心市街地活性化の取り組みが進むにつれて、駅前広場や市営駐車場を活用した独自のイベントや団体活動など、市民主導によるまちづくりが、地元と若者を中心に拡がりつつあります。このような動きを支えながら、まちづくりの輪を広げ、まちなかの魅力向上につながるよう進めていきます。

TAKU駅前元気まつり(TAKU駅前元気まつり実行委員会)

平成22年3月に「おいでんさいカード店会」の抽選会をきっかけに、市内若者有志で結成したハピたくらぶの「多久が元気になることをやってみたい」という声からTAKU 駅前元気まつりが始まりました。平成23年は商工会50周年記念事業の中で、市民の皆さんに日ごろの感謝を込めた地域振興のイベ ントとして第2回目を開催されました。まちづくりは将来に向けて継続することが大事であり、多久を元気にするため、駅前に賑わいを取り戻すため、イベントを通じてまちなかの情報発信を行っておられます。

よって見んしゃい!軽トラ市多久(荕原商工連盟)

荕原商工連盟が、「多久駅前に活気を取り戻して昔の名店街のような街並みを作りたい」という思いから、平成23年6月12日から多久駅北駐車場(現在はあいぱれっと駐車場)で軽トラ市を始められました。賑わいを取り戻すためには、まず“まち”を知ってもらうことが大事で、その為に市民が楽しむ場を作り、人が集まるようなことをしなければならない、地元でやれることは地元でやろうという気持ちで軽トラ市を開催されています。

 

軽トラ市多久についての詳細(多久市ホームページ)

都通り(都通りを復活させる会)

都通りを復活させる会は、平成22年4月に砂原の都通りで飲食店を営む7店舗で結成されました。通りにあった広場をふれあい広場として整備し、夜は竹灯籠や絵提灯で飾りつけて賑わいを演出されています。平成23年3月には、ふれあい広場で新鮮野菜や海産物などを並べた朝市を始められました。毎週火曜、木曜、土曜の週3回、9時から11時30分まで行われています。都通りも駅前と一体感のある通りとして、花と緑で安らぎのある市民に喜ばれる居場所を目指してがんばられております。